いつも従順で、疲れを知らない働き者
AMRの利点は、人間とは対照的に24時間稼働可能で、停止するのはメンテナンスやバッテリーの充電を必要とするときだけでよいことです。AMRは熱や化学物質などを問題にせず、常に忠実に仕事を果たし、疲れを知りません。
AMRは、産業施設、変電所、化学プラント、倉庫などの定期検査を含む多様な仕事を実行できます。上記の環境では、ロボットはメーターの読み取り、配置場所の確認、取り残されている工具や出入り口を塞いでいる障害物など、火災の原因になる可能性が高い異常の検出などのタスクを実行できます。
AMRの別のタスクは、内蔵の高解像度カメラを使って、人間の目では見るのが難しい潜在的な問題を検出することです。これには、機材の腐食、パイプの亀裂、蒸気の噴出、落水、漏水、床のたまり水などです。ロボットはこうした異常を検出すると、人間のオペレーターの注意を喚起できます。
AMRを使用する作業環境では、様々なレベルの機能を含める必要があります。例えば、ロボットが極端な温度にさらされる可能性がある場合、広範な動作時温度範囲への対応が求められるかもしれません。衝撃や振動も同様です。
上記の機能を実装する1つの方法は、ロボットに人工知能(AI)を内蔵することです。とはいえ、ご存知のように、AIはこれまでクラウドでしか利用できなかったレベルの高度な計算性能を必要とする場合があります。一方、クラウドとの間でデータを送受信すると、クラウド・コンピューティングに関係する遅延が発生し、有害な影響を及ぼす(多くの費用が求められる)場合があります。ミリ秒単位の遅延が機材の爆発とパイプの破裂の違いにつながる場合も少なくありません。クラウドベースのソリューションは、ほんの数秒であってもインターネット接続が中断しないことを前提としていることも忘れないでください。
EVAベースのロボットが救いに
幸いにも、AMRが施設内のエッジで必要な計算を実行するのを可能にする新しいテクノロジーの登場が近づいています。エッジ・ビデオ分析(EVA)として知られるこのテクノロジーは、ビデオを現場でリアルタイムに分析する機能を提供します。これには、AMRを「スマート・ロボット」へと変えるAI計算が含まれます。これは基本的に、現在の強力なマイクロ・プロセッサ・ユニット(MPU)の機能を活用し、数千もの小さなプロセッサから構成される、より強力な
グラフィクスプロセッシングユニット (GPU)と統合することによって可能となります。それらの統合ユニットは超並列方式でAIに関連したタスクを実行できます。
EVAを可能にするADLINK
ADLINK Technologyは、エッジ・コンピューティング・アプリケーション向けの広範な製品を設計および製造しています。ADLINKのエッジ・コンピューティング・ソリューションには、GPUアクセラレーテッド・ボード、システム、およびサーバレベルの製品が含まれているので、システム開発者は個々のエッジ・コンピューティングアプリケーションに求められるシステム・アーキテクチャを構築および最適化できます。ADLINKのEVAソリューションでは、モジュールでNVIDIAのGPUとJetsonシリーズのシステム・オン・モジュールを使用することで、システムの応答性が劇的に向上しています。
ほとんどの技術者は、冷却ファンが統合されたNVIDIAのオフザシェルフのGPUカードについて知っています。それらのカードはパワフルとはいえ、残念ながらEVAアプリケーションに必ずしも最適であるとは限りません。その1つの理由は、オフザシェルフのカードが通常、空調が施されたオフィスやサーバルームなどの非敵対的な低リスクの動作環境での使用を目的としているためです。
ADLINKのEVAソリューションは、周囲の環境を分析してロボットを制御するのに十分な計算性能に加え、過酷な環境での使用に最適な耐久性に優れたユニットを備えています。同ソリューションがAMRでの使用に適しているのは明らかです。このような機能には、移動ロボットの使用では珍しくない過酷な衝撃や振動に強いロック式コネクタが含まれます。また、これらのシステムは、最先端の受動冷却技術を使用して設計できるので、ファンは必要ありません。
ADLINKの技術チームはEVAソリューション向けに、Pascalと最新のTuringアーキテクチャに基づいたコンパクトな
MXM GPUモジュールのシリーズと、Jetson Nano、TX2、Xavier NX、AGX Xavierを含むJetsonシリーズのシステム・オン・モジュールに基づいた
エッジAIシステム の開発に成功しました。これらのモジュールおよびシステムは、EVAのサイズ、重量、電力の制約に対応していますが、パフォーマンスの低下はありません。実際、それらの製品は消費電力(および発熱)を約半分に抑えながら、同等の処理能力を提供できます。また、従来のグラフィック・サブシステムの場合を上回る耐用年数が保証されています。
ADLINKのEVAソリューションは、USBカメラ、イーサネットカメラ、GMSL IIカメラといった広範な種類のカメラに対応しています。したがって、AMRの設計チームはターゲットのアプリケーションに最適なカメラを選択できます
ADLINKのソリューションは、すべてのロボットがクラウドベースのアーキテクチャで想定されるセントラルハブを使って通信する必要があるソリューションとは異なり、ロボットのリアルタイムな直接相互通信を可能にする分散型通信プロトコルを使用しています。このアーキテクチャを使用すると、ロボットはビデオストリームをエッジ、フォグ、クラウドサーバに送信し、必要に応じて詳しい分析ができます。
今後、エッジ・ビデオ分析を採用したシステムが様々な場所に導入されるようになるのは確実です。それらの場所では、生活をより便利で安全にするよう設計された多様なアプリケーションが実行されているでしょう。そして、ADLINKがこの急成長するテクノロジーをリードし続けることは間違いありません。
ADLINKのGPUソリューションの詳細については、以下を参照してください:
https://www.adlinktech.com/jp/adlink-gpu-solutions