2020年4月21日 – PICMG(PCI Industrial Computer Manufacturers Group)は、最高度の産業用エッジコンピューティング市場のニーズに対応した最新のCOM-HPCコンピュータオンモジュール仕様の策定の最終段階を迎えています。COM-HPCの仕様はCOM Expressに代わるのではなく、COM Expressの成功を拡大することを目的としており、2020年の第2四半期までのリリースが予定されています。
エッジコンピューティングは急成長を遂げている分野で、これまでにない高度な性能が求められます。現在および将来のハイエンドな組込みマルチコアプロセッサのシステムメモリ要件は非常に急激に増大しています。メモリ要件が128 GBまたは256 GBに近くなると、COM Expressといった現在の一般的なフォームファクタはコストパフォーマンスに優れたソリューションを提供できません。COM HPCが求められるのはそのためです。最大8つのDIMMソケットをオンボードで搭載可能なサーバモジュールとして使用できる5種類のサイズが定義されています。
計算集約型プラットフォームに対応
COM-HPCはTDPが150Wまでのプロセッサに対応しています。仕様は110Wほどで16のコンピュートコアを提供する最新の高密度プロセッサに対応できるだけでなく、今後10年間でさらに多くのコアに対応し、強力なパワーが求められると予想される将来の設計に備えて30-40Wの余地も残しています。
最大のメモリ容量
高性能の組込みマルチコアプロセッサのメモリ要件は急激に増大しているので、プラットフォームは期待される最大レベルのパフォーマンスを実行するのに十分なメモリに対応する必要があります。COM-HPCは最大8つのDIMMを実装し、最新の最も一般的なメモリソリューションに対応できるよう最大512GBのメモリ容量を提供できます。メモリテクノロジーが進歩するにつれ、COM-HPCはより大容量のメモリに対応できるにようになります。
広帯域インタフェース
COM-HPCは最大64の汎用PCIeレーンに加え、IPMI BMC(キャリアボード)との接続専用のPCIeレーンを1つ備えています。COM-HPCでは4つのPCIe x16または8つのPCIe x8といった、COM Expressが対応しているよりも広範なリンク幅のPCIe構成が実現されています。当面サポートされるのはPCIe Gen 4.0ですが、最新の高密度・高速コネクタの導入が進むに連れ、PCIe Gen 5.0にも対応することになっています。また、周辺機器の最も一般的なインタフェースであるUSBにも対応しています。COM-HPCは最大4つのUSB 4ポートを備え、20Gビットのデータ伝送が可能できます。さらに、2つの100GbEポートに相当する最大8つの10GbEポートにより、イーサネット接続にも対応しています。
モジュールサイズ
COM-HPC仕様では5つのモジュールサイズが定義されています。最大は200mm x160mmのサイズEで、8つのDIMMが実装できます。一方、最小のボードサイズはSO-DIMMまたはソルダードオンボードメモリを搭載したクライアントプラットフォームとしての利用を想定しています。インテグレータはアプリケーションの要件に最適なサイズのモジュールを選択できます。
フィーチャーセットとピンアウト
同仕様はフィーチャーセットの異なる、COM-HPCサーバタイプとCOM-HPCクライアントタイプの2種類のピンアウトに対応しています。 サーバ・サイプのフィーチャーセットは集約型のデータ処理や接続での利用を想定し、最大64の汎用PCIeレーンと8つの10GbEポートを備えています。一方、クライアントタイプは一般的なアプリケーションでの利用を想定し、複数のディスプレイインタフェースとオーディオインタフェースに加え、MIPI-CSIカメラインタフェースを搭載しています。両方のフィーチャーセットとも、プライマリコネクタ(J1)とセカンダリーコネクタ(J2)と呼ばれる2つのコネクタを使用しています。完全なフィーチャーセットを必要としないクライアント実装の場合のような特殊な用途に対応するための重要で基本的な機能はプライマリコネクタ(J1)に割り当てられているので、全体の費用構造に貢献できるよう2番目のコネクタは削除できます。
最新の高密度・高速コネクタ
COM-HPCでは400ピンの32 GT/s(PCIe Gen 5)対応コネクタが定義されています。通常の実装では、各COM-HPCモジュールの底面にプライマリコネクタ(J1)とセカンダリーコネクタ(J2)の2つのボート・ツー・ボート・コネクタが装備されています。モジュールからキャリア・ボードまでの高さはデフォルトで10mmですが、異なる高さのコネクタを使えば5mmに変更できます。
ADLINKのCOM-HPCモジュール
PoC(Proof-of-Concept)仕様のCOM-HPCモジュールはembedded world 2020でリリースされます。モジュールには、8つのDIMMを備え、110Wのプラットフォームで最大16のコンピューティングコアを提供できるサイズE(160mm x 200mm)のサーバタイプのフィーチャーセットも用意されています。モジュールの上部には、外部の冷却装置に熱を逃がすためのヒートスプレッダが搭載されています。
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ADLINKについて
ADLINKはエッジコンピューティングのグルーバルリーダーです。ADLINKの理念は、AIで人、場所、物を結ぶことで、社会や産業界にポジティブな変化をもたらすことです。ADLINKの製品には、高耐久性ボード、リアルタイムのデータ収集ソリューション、AIoT向けアプリケーションが含まれています。ADLINKは製造、通信、ヘルスケア、軍事、エネルギー、インフォテイメント、交通といった多数の垂直市場に製品やサービスを提供しています。
また、「Intel® IoT Solutions Alliance」のプレミアメンバー、NVIDIAのパートナーであるだけでなく、Eclipse、OCP、OMG、ROS-Iといった規格の策定に参与しています。ADLINKの製品は、世界中の流通ネットワークを通して、5大陸40ヶ国以上で販売されています。さらに、ISO-9001、ISO-14001、ISO-13485、TL9000認証を取得済みで、TAIEX(台湾証券取引市場)の上場企業(株式銘柄コード:6166)の1つです。
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